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X(旧twitter)まとめ【裏ハムラ法の信念 】|Twitterアーカイブ|医師 百澤明ブログ

投稿日: Twitterアーカイブ

『裏ハムラ法の信念』

今回は、裏ハムラ法について掘り下げます。

まず、最も大切なことですが、裏ハムラはちゃんとやるには高度な技術が必要です。 私は形成外科医になって25年、切断指の再接着からマイクロサージャリーによる頭頚部ガン再建まで多岐にわたる手術を習得してきました。それでも、いつも納得のいく手術をするためにその全ての技術と経験を総動員する必要があり、狭い狭い術野でねらったところに針をかけるために針の持ち方からアライメントの向きまで細心の注意を払っています。 100%の手術をするのは容易ではないんです。

Dr. Hamraは最初、眼窩脂肪だけを移動固定する術式を発表しましたが、その後しっかりとした下眼瞼を形成するために眼窩隔膜も一緒に移動し固定する術式に変更しました。 私もDr. Hamraと同じ考えなので眼窩隔膜の固い部分(CPFの前葉)を移動して固定しています。また、美しい下眼瞼を形作るためには、眼窩脂肪の3つのコンパートメントのうち、内側(ないそく)と中央の2つをしっかりと移動・固定しなければなりません。 ここが肝です。

中央の眼窩脂肪の移動だけで裏ハムラを名乗っているドクターがいるようですが、それでは不十分です。特に、術者が右利きの場合の左眼の内側の移動固定はかなりの難しさですが、ここをしっかりとやり抜かなければダメです。 裏ハムラは、2~2.5cmぐらいの小さな切開なので窮屈で難しいし時には苦しいこともありますが、きちんと完遂できれば結果は安定しています。逆に、適切な量の移動・固定ができていないと結果が不安定になってしまいます。 そういう意味では、術者による結果のばらつきが出やすい術式かも知れません。その点は、うちの若手たちには教え込んで伝えていきたいと思います。

今現在、山梨大学の何人かの部下が裏ハムラの習得に精進しています。 まだ直伝といえるドクターは誰一人いませんが、うちの部下たちには、近いうちに私を追い越して行ってもらえるように私は若手の指導と環境の整備に務めたいと思います。様々な術式の利点欠点を理解した上で裏ハムラをライフワークに選んでいます。

「せっかくの眼窩脂肪を切除して捨てるなんてもったいない。形を整えるために最大限利用する。その上でボリュームが足りなければ少量の脂肪を補充する。」これが、私の方針であり信念です。

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