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経結膜下眼瞼形成術①|目のくま|医師 百澤明ブログ

投稿日: 目のくま

ハムラ法という呼称について

現在、日本では下眼瞼の除皺術においてハムラ法と呼ばれる方法が大変有名です。しかし、当のSam T. Hamra先生はこのような呼ばれ方、用いられ方をするとは、思ってもいなかったであろうと思われます。
というのは、
1995年ダラス(Dallas)のSam T. Hamra先生は、内側から外側までの全長にわたり、眼窩脂肪を引き出し、眼窩下縁に移行し固定する方法を報告しました。これが、本邦(日本)でいうところのハムラ法です。しかし、本術式はcomposit rhytidectomyの中での中顔面の若返りの一部分として報告されたのであって、単独で下眼瞼の若返り法として報告されたものではありません。したがって、このSam T. Hamra先生の報告の一部をとってハムラ法と呼ぶのは、Sam T. Hamra先生の意思には反しているとも考えられますので、本当は正しくないのかもしれません。

しかしながら、実際には一般世間のみならず、医者の間でもハムラ法と呼び合っていますので、日本では、ハムラ法という方が分かりやすいのが実情でしょう。

日本での“ハムラ法”の定義は、
1) 皮膚を睫毛下で切開、切除する。
2) 眼窩脂肪を内側から外側まで引き出し、眼窩下縁に移行し固定する。
3) 眼輪筋を外眼角部に引き上げ固定する。
などを行う術式のことをさすと思われます。

しかし、私が2006年に日本形成外科学会総会で発表した際には、“経結膜的眼窩脂肪移動術”と呼び発表しましたが、ある大御所の先生に、「つまり経結膜のハムラ法ですね」といわれました。
とすると、つまり、皮膚切開でなくともハムラ法と呼んでしまうということは、2) の“眼窩脂肪を内側から外側まで引き出し、眼窩下縁に移行し固定する”をハムラ法と呼んでいることになりますので、本当は正しくないと思うのですが、。

というわけで
本当は、皮膚切除を行う定型的下眼瞼除皺術に眼窩脂肪移動を合わせて行う術式をハムラ法と呼ぶのが正しいでしょう。
しかし、
実際には、“眼窩脂肪を引き出し眼窩下縁を越えて移動し縫合固定する”のがハムラ法の特徴であり、この操作自体が便宜上ハムラ法と呼ばれているのは事実でしょう。

私がおこなっている術式は、経結膜アプローチで眼窩脂肪の移動をおこなう術式です。
欧米ではGoldberg法と呼ばれています。

いつの間にか、ネット上で“裏ハムラ”と呼ばれるようになって、うまいこというなあと、思った覚えがあります。
“経結膜的眼窩脂肪移動術”、“裏ハムラ法”、“トラコンハムラ法”全部同じ術式を指します。ちなみに、“トラコン”というのは、“trans-conjunctival”=“経結膜的”という意味です。

百澤 明

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